近年、クライアントとフリーランサーをつなぐクラウドソーシングサービスが定着し、翻訳者がフリーランスになる機会も増えてきています。あなたがフリーランス翻訳者としてのキャリアを築く前に、現実的な側面をお話しします。

フリーランス翻訳者として働くことは、会社や組織から解放され、自由で気楽そうに見えるかもしれませんが、成功を収めるのは決して容易ではありません。このキャリアパスで直面するメリットとデメリットをご紹介します。
長所
フリーランサーとして働く最大の魅力は、自由なところです。
スケジュール: いつでもどこでも、好きな時間に仕事ができます
仕事:どの仕事を受注するかは、あなた自身が決められます
収入:どれだけの収入を得るかは、あなたがその仕事の質に妥協せずに取り組めるかによります。再度依頼が来るかどうかは、あなたがどれだけクライアントの要望を汲み取り、質の高い成果を提供できたかによります
場所:世界のどこにいても自由です。特に生活費が安い場所は有利です
専門性:より多くのスキルや専門知識が必要な仕事ほど、より高い報酬を要求することができます
短所
フルタイムのフリーランス翻訳者として成功することは容易ではありません。
自己管理:いつ、何をすべきかといった指示をする人は誰もいません。あなたの収入は、クライアントからの継続的な発注がないかぎりなくなってしまいます。クライアントが満足する成果を提供できた場合にのみ報酬は支払われるため、モチベーションの維持やタスク管理など、すべてはあなたの責任です。
批判:全てのクライアントの要望がわかりやすいとは限りません。face-to faceで顔を合わせて話をしないため、クライアントがわかりやすい説明や指示をくれる場合もあれば、非現実的な期待を持たれてしまい、要望に添えないこともあります。フリーランス翻訳者は、たくましさだけでなく、臨機応変な対応を必要とすることもあります。
競争:場所の制約がないので、あなたは文字通り世界中のフリーランス翻訳者と競争しています。クライアントはコストパフォーマンスの観点からあなたを評価しています。代わりがいくらでもいる分野の仕事よりも、専門知識を有する分野で勝負をする方が、はるかに有利です。
時間 vs. お金:あなたは報酬を得るために時間を費やしています。それは測れるものではないですが、仕事量に対することもあれば、上げた成果や価値に対して報酬を得られることもあります。
機械:AIの進歩により、取扱説明書やユーザーサポート文書、法的契約書などの内容の翻訳は、機械翻訳によって行われることが増えてきています。人は校正やエディターとしての役割に移行しつつあります。今後も継続して仕事をしていくには、人による翻訳が必要な内容のジャンルに注力する必要があります。
はじめに
あなたがフリーランス翻訳者としての経験が少ない場合は、まずクラウドソーシングサイトに参加してみるのが良いかもしれません。
クラウドソーシングサイトは、翻訳を必要とする企業が登録し、オンラインで仕事を依頼する場所です。フリーランス翻訳者は自分の興味やレベル、経験などをプロフィールに登録し、要望に合った案件を受けることができます。
そこで、2つのサイトをご紹介します。
Conyac は、翻訳案件や、言語能力を必要とするタスクをオンラインで完了することができるサービスを提供しています。
スピード翻訳 は、専門スキルや知識を持つプロ翻訳者に支持されている、オンライン翻訳サービスを提供しています。
どちらのサイトも、翻訳者としての経験が少ない方や、リモート環境での翻訳作業に慣れていなくても、登録することができます。メールなどの短い文面や簡単な内容の翻訳から始め、時間をかけてキャリアを積んでいくことも、もちろん可能です。
すでに活躍している他のフリーランス翻訳者との交流の場として、フリーランサーコミュニティフォーラムを用意しています。
フリーランス翻訳者としてのキャリアパスに興味がある方、ぜひご登録をお待ちしています。
Translated by #Manyu
Cover photo by Bruce Mars from Pexels